2026.02.25

【法改正】通勤手当の非課税限度額の改正について

2026(令和8)年も、早くも2か月が経過しようとしています。2025(令和7)年は、育児介護休業法をはじめ多くの法改正が行われましたが、本年も、昨年同様に複数の法改正が待ち受けています。そこで今回は、以下の一覧に示した法改正のうち、多くの方に影響があると思われる赤枠の4つの法改正の概要を見てみたいと思います。 



1.健康保険法:被扶養者認定の収入要件見直し

●法改正施行日:4月1日

●変更内容 :(現 状)認定対象者の過去の収入、現時点の収入または将来の収入の見込みなどから、
  所定外賃金の見込みを含めた今後1年間の収入見込みにより判定
 (改正後)労働契約で定められた賃金から見込まれる年間収入により判断

●法改正のポイント
①労働条件通知書等の労働契約の内容が確認できる書類において規定される時給・労働時間・日数等を
 用いて算出した年間収入の見込額が130万円未満(一定の者はその金額)である場合を想定。
②労働条件通知書等の書類上に明確な規定がなく予め金額を見込み難い時間外労働に対する賃金等は
 年間収入の見込額には含まない。
③労働契約に明確な規定がなく労働契約段階では時間外労働の見込みがなかったのであれば、
 扶養認定時点で時間外労働が発生していたとしても、当年度においては一時的な収入変動とみなし、
 今回の取扱いにより年間収入を判定する。
④労働契約内容が確認できる書類がない場合は、従来どおり、勤務先から発行された収入証明書や
 課税(非課税)証明書等により年間収入を判定する。

2.健康保険法:子ども子育て支援納付金制度のスタート

●法改正施行日:4月1日

●変更内容 :(現 状)制度なし
(改正後)毎月の給与及び賞与から、「子ども・子育て拠出金」が控除されることとなります。

●法改正のポイント
①2026年4月分から徴収開始
・・・ (保険料が当月徴収の企業の場合)2026年4月から徴収開始。
(保険料が翌月徴収の企業の場合)2026年5月から徴収開始。ただし、4月末退職者は4月給与から徴収。
・・・ 4月に賞与の支給があれば、4月賞与から控除が必要
②支援金額(月額)は、「標準報酬月額(標準賞与額)×支援金率(0.23%)」となり、
算出された金額の半額は、企業が負担。
・・・ 例1:標準報酬月額47万の場合 470,000円×0.23%÷2= 540円
・・・ 例2:標準報酬月額88万の場合 880,000円×0.23%÷2=1,012円
③給与システムのアップデート、給与明細書の項目追加を2026年3月の給与計算完了後に実施することが必要。

3.障害者雇用促進法:障害者雇用率の引上げ

●法改正施行日:7月1日

●変更内容 :(現 状)2.5%(民間企業)。従業員を40人以上雇用している事業主は、1人以上の障害者の雇用が必要。
(改正後)2.7% (民間企業)。従業員を37.5人以上雇用している事業主は、1人以上の障害者の雇用が必要。

●法改正のポイント
①必要な障害者雇用数の確認
法定雇用障害者数(障害者の雇用義務数)=(常用労働者数+短時間労働者数×0.5)×障害者雇用率(2.7%)
②障害者の人数のカウント方法の確認(常用雇用、短時間、重度障害か否か)
③プライバシーに配慮した情報の把握・確認
… 厚生労働省「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」を参考にしてください。

●参考:障害者雇用率の推移
2012年度:1.8%→2013年度:2.0%→2018年度:2.2%→2021年3月:2.3%→2024年度:2.5%→2026年度:2.7%

4.労働施策総合推進法:カスタマーハラスメント対策義務化

●法改正施行日:10月1日

●変更内容 :(現 状)制度なし。
 (改正後)今後公表される指針に基づき、事業主は、カスタマーハラスメントに対する事業主が講ずべき
具体的な措置等を定めることが義務化

●法改正の背景:①多様な労働者が活躍できる就業環境の整備を図るため、ハラスメント対策の強化
②カスタマーハラスメントを防止するため、事業主に雇用管理上必要な措置を義務付け、
国が指針を示すとともに、カスタマーハラス メントに起因する問題に関する
国、事業主、労働者及び顧客等の責務を明確化する。

●法改正のポイント
①「カスタマーハラスメント」についての理解
・職場において行われる、顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に
関係を有する者の言動であって、
・その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、
・当該労働者の就業環境を害すること
②指針案の把握
…指針案については、2025年12月10日の労働政策審議会雇用環境・均等分科会の資料として確認可能。
…指針は2026年2月告示予定、改正法施行の日(2026年10月1日)より適用と記載あり。