2025年7月25日
副業をする人が急増する現代において、社会保険の仕組みは非常に重要な知識のひとつです。
特に会社員が副業を行う場合、本業と副業の両方で収入が発生することにより、社会保険の加入義務や保険料の計算方法が複雑になることがあります。
この記事では、副業を考えている方やすでに始めている方に向けて、「社会保険」と「副業」にまつわる基本知識から注意点までを徹底解説します。副業時代に必要な正しい社会保険の理解を、実例を交えてわかりやすくお届けします。
目次
1.副業を行っている際の社会保険副業の取り扱い
1.1 本業と副業先の両方の社会保険に加入するケースがある
1.2 個人事業主の副業であれば社会保険に変更はない
2.副業で2か所以上から給与があるときの社会保険副業の注意点
2.1 副業でも条件を満たしたら社会保険加入が必要
2.1 健康保険・厚生年金保険の複数加入時は自身で手続きが必要
2.3 社会保険の加入手続きを怠った場合の注意点
3.副業によって社会保険副業の負担が増えるケース
3.1 非正規雇用で副業をしているケース
3.2 副業で会社を設立しているケース
4.会社員と個人事業主で異なる社会保険副業の仕組み
4.1 会社員が加入する社会保険
4.2 個人事業主が加入する社会保険
5.従業員が副業する際に必要な社会保険副業の加入条件
6.本業と副業両方で社会保険に加入している場合の社会保険料の計算方法
7.副業で社会保険の加入が必要になる場合は、適切に手続きを行おう
7.1 社会保険加入の基準を見極めることが最初のステップ
7.2 主たる事業所と従たる事業所を明確にして届け出る
7.3 会社側の理解と協力も不可欠
8.社会保険副業の基本と注意点まとめ
1.副業を行っている際の社会保険副業の取り扱い
副業が当たり前になりつつある昨今、会社員として働きながら副業を始める人が急増しています。しかし、ここで見落とされがちなのが「社会保険」の取り扱いです。
本業がありながら別の企業や個人で収入を得る場合、社会保険はどのように処理されるのか。適切な理解がないまま副業を進めると、後々大きなリスクや損失を招く可能性もあります。
ここでは、副業を始めた場合に社会保険がどう変わるのか、具体的なケースごとに丁寧に解説します。
1.1 本業と副業先の両方の社会保険に加入するケースがある
副業先でも労働時間や報酬などの条件を満たす場合、社会保険の加入義務が発生します。本業の企業で厚生年金や健康保険に加入していても、それとは別に副業先でも同様の要件を満たせば、双方の勤務先で社会保険に加入することになります。
これは「二以上事業所勤務届」という制度に基づくもので、加入が重複した場合でも、原則として保険料や給付内容は一本化される仕組みが整備されています。
例えば、週に20時間以上働き、月額報酬が88,000円を超え、かつ雇用が2か月以上見込まれる場合、副業先でも社会保険の対象になることがあります。このような場合には、勤務先双方の情報を基に、年金事務所に届け出を行う必要があります。どちらの勤務先を「主たる事業所」として指定するかで、保険証の発行元が決まり、給与からの天引き方法も変わってきます。
しかし、手続きが煩雑であるため放置されがちなこの制度ですが、未申告のまま加入条件を満たしていると、後から追徴課税や保険料の遡及請求を受けることもあります。
また、二重で加入することにより年金受給額が増える可能性がある一方、保険料の負担が大きくなるデメリットもあります。副業を始める際は、自分の働き方が社会保険にどう影響するのかを確認し、必要な手続きを早めに行うことが重要です。
1.2 個人事業主の副業であれば社会保険に変更はない
一方で、副業が「個人事業主」としての働き方である場合は、原則として社会保険に影響はありません。たとえば、会社員が副業としてYouTubeを運営したり、ハンドメイド商品の販売をしたりするようなケースが該当します。これらは給与収入ではなく、事業所得や雑所得として扱われ、雇用契約に基づく労働ではないため、厚生年金や健康保険の加入条件に該当しないのです。
このような副業の場合、あくまで本業の勤務先で社会保険に加入し続けることになります。そのため、副業の所得が増えたとしても、保険料が直ちに増えるわけではありません。ただし、所得税や住民税は副業の収入に応じて増加する可能性があるため、確定申告を適切に行うことが求められます。
また、社会保険上は変化がなくても、収入が一定の水準を超えると、健康保険組合や勤務先の規定によっては副業の制限や事前届出が必要な場合もあります。とくに副業禁止規定がある企業では、収入の形態にかかわらずトラブルになるリスクもあるため、事前に就業規則を確認することが不可欠です。
さらに、個人事業主として本格的に副業を拡大する場合、最終的に本業とのバランスを見直し、社会保険の切り替えを検討する場面も出てきます。
その時点での保険料は全額自己負担になるため、ライフプランと連動した検討が求められます。
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2.副業で2か所以上から給与があるときの社会保険副業の注意点

副業を始めると、複数の会社から給与を受け取ることになるケースが増えます。
特に、アルバイトやパートとして別の企業で働く場合、本業とは別に社会保険の加入義務が発生する可能性があるため注意が必要です。
社会保険は、働く場所が増えれば自動的に加入対象となるわけではありません。明確な条件と制度の理解が求められる領域です。
ここでは、2か所以上の給与収入がある場合に注意すべき社会保険のポイントを、具体的な条件や手続きとあわせて解説します。
2.1 副業でも条件を満たしたら社会保険加入が必要
副業先でも、一定の条件を満たせば社会保険に加入する義務が生じます。誤解されやすいのは「副業だから社会保険には入らなくていい」と考える点です。
しかし、雇用契約があり、週の労働時間が20時間以上、月額の報酬が88,000円以上(年収約106万円以上)であり、かつ勤務先が従業員101名以上の企業である場合、社会保険への加入が必要になります。この条件は、2024年10月からは従業員51名以上の企業にまで適用が広がっています。
副業が本業に比べて軽微なものであっても、労働時間と収入が条件を超えると社会保険の対象になるため、加入義務を見落とすとトラブルの原因になります。
特に見落とされがちなのが、アルバイトやパート勤務でも「社会保険の適用拡大」に該当するという点です。企業側としても、対象者を把握し、適正に保険加入させる責任がありますが、実際には認識不足により未加入のままとなっているケースも見られます。
社会保険の適用に該当するかどうかは、単に働いているか否かではなく、就労の実態と契約条件によって判断されます。副業をする際は、自身の就業状況と給与額を冷静に分析し、加入対象となる可能性があるかどうかを事前に確認することが肝心です。
社会保険の加入義務などについて、以下の記事で解説していますので、参考にしてください。
参考記事:社会保険の加入義務とは?対象者の条件やパート・アルバイトの適用範囲拡大についても解説!
2.2 健康保険・厚生年金保険の複数加入時は自身で手続きが必要
本業と副業の双方で社会保険加入の条件を満たす場合、ただちに2枚の保険証が発行されるわけではありません。このような状況では、「二以上事業所勤務届」という書類を提出し、主たる事業所を指定する必要があります。これにより、1枚の保険証に統合され、保険料の計算も合算される仕組みになります。
この手続きは、原則として被保険者本人が行わなければならず、放置していると後日トラブルにつながることがあります。たとえば、主たる事業所が誤って設定されていたり、手続きが遅れていた場合、過去にさかのぼって保険料の支払いを求められることもあります。
また、副業先の会社が加入対象者であることに気づかないケースもあり、正確な情報が共有されないまま時間が経過してしまうことも少なくありません。
そのため、副業を始めたタイミングで、自身が社会保険の二重加入の対象になるかどうかを確認し、必要があれば年金事務所や勤務先の総務に相談することが重要です。
2.3 社会保険の加入手続きを怠った場合の注意点
社会保険の加入条件を満たしているにもかかわらず、適切な手続きを行わずに放置すると、思わぬ不利益を被ることになります。
最も一般的なケースが、後から年金事務所や健康保険組合から遡って保険料の支払いを求められるというものです。この場合、通常の保険料に加えて延滞金や加算金が発生する可能性があります。
また、未加入のまま病気やケガで働けなくなった場合、本来受けられるはずの傷病手当金や出産手当金などの給付が受けられなくなるリスクもあります。さらに、事業主側にも「社会保険未加入」という労務リスクが残るため、労働基準監督署から指摘を受けたり、助成金の受給資格を失うなどの影響が出ることもあります。
このような問題を回避するためには、自身の就業状況を客観的に見つめ直し、加入条件に該当する場合には、速やかに社会保険加入の手続きを行うことが求められます。また、副業先に確認を取ったうえで、必要に応じて年金事務所に相談するなどのアクションを取ることが大切です。
制度を正しく理解し、適切な手続きを踏むことで、安心して副業に取り組むことができ、将来の保障も得ることができます。副業が当たり前の時代だからこそ、制度の隙間に埋もれないよう意識することが不可欠です。
社会保険の手続きをまとめた記事は、こちらになります。
関連記事:社会保険の手続き完全ガイド!初心者向けに必要書類や流れをわかりやすく解説
3.副業によって社会保険副業の負担が増えるケース
副業を始めると、所得が増える一方で社会保険の負担が増える場合があります。特に副業の形態や雇用条件によっては、本業だけでは発生しなかった社会保険料が追加で発生し、手取りが減る結果となることもあります。
副業をする目的は収入を増やすことにありますが、社会保険の仕組みを理解せずに始めてしまうと、予想以上の負担に戸惑うことになるかもしれません。
ここでは、社会保険料が増える代表的な副業パターンをもとに、注意点と対策を詳しく解説します。
3.1 非正規雇用で副業をしているケース
本業に加えて、アルバイトやパートなど非正規雇用で副業を行っている場合、一定の条件を満たすと社会保険への加入が必要になります。このようなケースでは、副業でも保険料を支払うことになるため、実質的な手取り収入が目減りしてしまうことがあります。
たとえば、週20時間以上の勤務や月収88,000円以上などの条件をクリアすると、副業先でも厚生年金と健康保険への加入が義務づけられる可能性があります。これにより、給与から社会保険料が天引きされるため、「思ったほど手取りが増えない」という事態が発生します。
このような場合の注意点は、社会保険料が「報酬月額」に応じて決まるため、仮に副業の時給が高くても、労働時間が長くなればなるほど保険料も比例して増えるということです。また、所得が増えることで住民税や所得税も上がる可能性があるため、想定以上に課税負担が重くなるリスクも伴います。
副業を始める際は、実際に受け取れる金額がどの程度になるかを試算し、社会保険料の影響を事前に把握しておくことが重要です。
3.2 副業で会社を設立しているケース
副業の延長として、自ら会社を設立するというケースもあります。法人化には節税や信頼性向上などのメリットがありますが、一方で社会保険料の面では新たな負担が発生する点に注意が必要です。法人を設立し、自身が代表取締役などの役員となると、たとえ役員報酬が少額でも、社会保険への加入義務が生じます。
これは「法人の役員は、労働の有無に関係なく、原則として社会保険加入義務がある」というルールによるもので、報酬の多寡にかかわらず、厚生年金と健康保険の加入が必要です。そのため、個人事業主のときには任意だった保険料が、法人化により必須となり、結果として社会保険料の負担が増加します。
さらに、本業の会社でも厚生年金に加入している場合、法人側の報酬と合算して保険料が計算されるため、年収が高いほど保険料の増加幅も大きくなります。このように、法人化には予期せぬ社会保険コストが付随するため、安易に法人化するのではなく、シミュレーションや専門家の相談を通じて検討すべきです。
一方で、法人での社会保険加入には年金受給額が増えるという側面もあります。長期的な視点ではメリットがある一方で、短期的には負担が大きくなるため、自分の働き方と人生設計に合わせた判断が求められます。
中小企業では、社会保険の手続きは人に依存しやすく属人化しがちで担当者が急に休めば、すぐに業務が滞るリスクもあります。
EPCS沖縄では、仕組みで解決する現代に合わせ、社会保険業務のアウトソーシングでサポートしています。
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4.会社員と個人事業主で異なる社会保険副業の仕組み
副業をする際に重要なのは、自分の本業が「会社員」か「個人事業主」かによって、加入する社会保険の種類とその負担が大きく異なるという点です。
表面的には同じように働いて収入を得ていても、その裏では保険制度の違いがあり、将来の年金や医療費、保障内容に直結します。
ここでは、会社員と個人事業主それぞれの社会保険の仕組みを比較し、副業との関係性について詳しく解説していきます。
4.1 会社員が加入する社会保険
会社員が加入する社会保険は、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険などが基本となります。これらは「被用者保険」と呼ばれ、企業に雇われて働く人のための制度です。
特徴的なのは、保険料の半分を会社が負担してくれるという点で、自己負担額が比較的軽く、保障内容も手厚いことがメリットです。
副業をする場合でも、本業でこの社会保険に加入していれば、個人事業型の副業であっても制度的な変更はありません。
しかし、副業が雇用契約に基づく労働であり、所定の条件を満たした場合には副業先でも社会保険の加入が必要となるため、会社員であることが副業の社会保険にも影響を与えることになります。
重要なのは、会社員は収入が高くなると社会保険料も比例して増加するため、副業での収入増加が本業側の保険料にも影響を与える可能性があるという点です。そのため、収入と保険料のバランスを常に意識しながら副業を設計することが求められます。
4.2 個人事業主が加入する社会保険
個人事業主として働く場合、加入する社会保険は原則として「国民健康保険」と「国民年金」の2つです。
これは「自営業者向け」の保険制度であり、会社員のように企業と折半で保険料を支払う仕組みではありません。すべての保険料を自己負担しなければならないため、社会保険の支払いは大きな出費となることが多いです。
国民健康保険は、加入者の所得や世帯人数に応じて保険料が決まり、自治体ごとに計算方法が異なります。また、給付内容も会社員の健康保険に比べると限定的で、たとえば傷病手当金や出産手当金などの給付がない点が大きな違いです。
一方、国民年金は老後に受け取る基礎年金となりますが、保険料が一定額である反面、将来の年金支給額は厚生年金と比べてかなり少なくなります。そのため、老後資金を十分に準備するには、国民年金に加えて「付加年金」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」などを活用する必要があります。
副業を本業と並行して行っている段階では、あくまで本業の保険に加入する形になりますが、いずれ個人事業を本格化させて独立する場合は、自動的にこれらの制度への切り替えが必要です。社会保険料の負担が大きくなる点や、保障の手薄さを考慮し、民間保険や積立制度などを活用してリスクに備えることが欠かせません。
5.従業員が副業する際に必要な社会保険副業の加入条件

副業が一般化している現代社会において、多くの従業員が本業とは別に収入を得ることを検討しています。
しかし、副業先での労働が一定の基準を超えると、社会保険への加入が義務付けられるケースも出てきます。この加入条件は一律ではなく、働く時間や報酬の額、勤務先の企業規模など複数の要素に基づいて判断されます。
知らずに条件を満たしてしまうと、加入手続きを怠ったことによるペナルティが課される可能性もあるため、事前の知識が欠かせません。
ここでは、従業員が副業をする際に知っておくべき社会保険加入の具体的な条件について詳しく解説します。
5.1 副業でも「一定の労働条件」を満たすと社会保険加入義務が発生する
副業先であっても、一定の条件をクリアすれば社会保険の加入が義務となります。条件の主なポイントは以下の5つです。
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
- 月額賃金が88,000円以上であること(年収で約106万円相当)
- 雇用期間が2か月以上見込まれていること
- 学生ではないこと
- 勤務先の従業員数が101人以上(2024年10月以降は51人以上)であること
これらの要件をすべて満たすと、たとえ副業であっても厚生年金保険と健康保険への加入が必要になります。
副業が短時間・少額のものであれば該当しないケースもありますが、昨今は時給が上がってきている背景もあり、意図せず要件を満たしてしまうことも珍しくありません。
5.2 加入条件を超えていないか自己確認が重要
実際に働いている労働時間や賃金を把握し、「自分が加入条件に該当していないか」を定期的に確認することが大切です。副業先の会社によっては、社会保険の手続きに消極的だったり、従業員数が不明だったりする場合もあります。
そのため、加入条件を自己判断するだけではなく、必要に応じて会社や年金事務所に確認を取ることが安心です。
たとえば、雇用契約書に明記された時間が20時間未満でも、実際の労働時間が継続的に20時間を超えている場合は、社会保険の加入義務が発生する可能性があります。また、月額報酬が基準を超えていないか、臨時手当などが加算されているかどうかも、計算に含めておくべきです。
自分の副業状況を定期的にチェックし、保険加入が必要であれば速やかに手続きを行うことで、後からの追徴や給付漏れといったトラブルを避けられます。
6.本業と副業両方で社会保険に加入している場合の社会保険料の計算方法
副業をすることで収入が増えるのは歓迎すべきことですが、その一方で社会保険料の計算が複雑になるケースがあります。特に本業と副業の両方で厚生年金・健康保険の加入条件を満たしている場合、社会保険料はどのように計算されるのかを正しく理解しておくことが重要です。
知らずに放置しておくと、後から多額の保険料を請求されたり、年金受給額に影響が出る可能性もあります。
6.1 報酬月額は「合算」して保険料が計算される
社会保険料の計算で最も重要なのは、「報酬月額」という基準です。報酬月額とは、給与や手当などの毎月の報酬総額を指し、この金額をもとに健康保険料・厚生年金保険料が算出されます。
本業と副業の両方で社会保険加入の条件を満たしている場合、それぞれの事業所から支払われている報酬を合算して「一つの報酬月額」として扱います。これにより、社会保険料もその合算額を基準として算出されることになります。
6.2 保険料の納付は「主たる事業所」がまとめて行う
二重加入の場合、社会保険の手続きとしては「二以上事業所勤務届」を提出し、どちらを主たる勤務先とするかを指定します。この主たる事業所が、実際の社会保険の手続きと保険料の徴収を行うことになります。
つまり、副業先の給与にも保険料が発生しますが、その分も含めて主たる事業所で一括して保険料を徴収・納付する形になります。副業先からは、保険料分を一時的に預かる形で主たる事業所に送金し、主たる事業所が合算して支払います。
このようにすることで、加入者(本人)は1枚の保険証で医療や年金の給付を受けられるようになり、保険制度としても統一的に運用されるようになっています。
6.3 保険料負担が増えるが、将来の年金額にはプラスになる
収入が増えれば、それに比例して保険料も増えます。そのため、副業による収入増がそのまま手取りに反映されるとは限りません。特に社会保険料は報酬月額に応じて定率で課されるため、思った以上に手取りが減るケースもあるのが現実です。
ただし、その分厚生年金保険においては将来受け取れる年金額が増えるというメリットもあります。報酬比例部分の金額が大きくなるため、長期的には副業収入が老後の備えとして生きてくることになります。
一時的な手取りの減少を気にしすぎず、長期的な資産形成の一環として考えることも重要です。副業を計画する際は、「今の収入」だけでなく、「将来の保障」まで含めた全体像で判断する姿勢が求められます。
7.副業で社会保険の加入が必要になる場合は、適切に手続きを行おう
副業を行うことで社会保険の加入対象となる場合、加入手続きを怠ってしまうと、後々のトラブルや不利益に繋がります。
特に、複数の職場で働いている場合や、個人事業主としての活動が拡大しているケースでは、制度の理解不足が原因で思わぬ保険料の遡及請求を受けたり、給付を受けられないなどの不具合が生じることがあります。
ここでは、副業によって社会保険の加入が必要になった際に取るべき適切な手続きと、その重要性について詳しく解説していきます。
7.1 社会保険加入の基準を見極めることが最初のステップ
まず、副業先で社会保険への加入義務が生じるかどうかを確認するには、自分の就労条件を正確に把握することが大前提です。主に確認すべき項目は、勤務時間、賃金、雇用期間、従業員規模などで、これらが一定の基準を満たすと、社会保険の加入が義務化されます。
これを知らずに副業を継続してしまうと、数ヶ月後に年金事務所から「未加入だった期間の保険料を支払ってください」と通知が届く可能性もあります。
したがって、副業を始める際には、契約書や勤務実態をもとに加入条件を冷静に確認し、該当する場合は速やかに行動を起こすことが求められます。
7.2 主たる事業所と従たる事業所を明確にして届け出る
複数の勤務先で社会保険の加入条件を満たしている場合は、「二以上事業所勤務届」を年金事務所に提出しなければなりません。この書類によって、どちらの事業所を「主たる事業所(主務)」とするかを明確にし、保険証の発行や保険料の支払いが一元化される仕組みです。
この手続きは原則として被保険者本人が行うものであり、副業先や本業の担当者に相談しながら準備を進める必要があります。特に、自分がどちらの勤務先を主たる事業所に指定するかで、実際の保険料の支払い方や保険証の扱いが変わるため、慎重に検討する必要があります。
手続きを怠った場合、二重加入とみなされてしまい、保険料が二重で徴収されるおそれもあります。もしくは正しく給付が受けられなかったり、後から届出を求められた場合に煩雑な処理を余儀なくされるなど、予期せぬ不便が生じる可能性もあります。
7.3 会社側の理解と協力も不可欠
社会保険の手続きをスムーズに進めるには、自身だけでなく勤務先の協力も不可欠です。特に副業先が社会保険の手続きに慣れていない小規模事業者や個人事業の場合、加入条件に該当しているにもかかわらず、未手続きのままになってしまうケースも見られます。
そうした際には、自分から「加入条件に該当していると思われるので、手続きを進めていただけますか?」と積極的に確認をとる姿勢が大切です。会社としても従業員が制度に詳しく、自発的に動いてくれることは安心材料になります。
また、場合によっては会社の総務や労務管理担当者が手続きを誤認していることもあるため、正確な情報を伝えるために、社会保険に関する知識を最低限身につけておくと円滑に対応できます。
8.まとめ
副業による社会保険の影響を正しく把握するためには、まず自分の副業がどのような形態であるのかを整理することが第一歩です。
アルバイトやパートなど給与収入が発生する雇用契約型の副業なのか、あるいは自営業やフリーランスのような事業所得型の副業なのかで、社会保険の取り扱いがまったく異なってきます。
また、副業先での労働時間や報酬が一定以上になると、社会保険の加入義務が発生するため、条件をきちんと把握し、該当する場合は速やかに手続きを行うことが大切です。手続きを怠ると、後から保険料の追納が求められたり、給付が受けられないなどの問題が生じる可能性もあります。
さらに、本業と副業の両方で社会保険に加入する場合は、「二以上事業所勤務届」の提出が必要になります。この届出を行うことで、主たる勤務先を定め、保険証や保険料の取り扱いが統一される仕組みとなっています。事務処理が煩雑に見えるかもしれませんが、正しく申告することで、将来的に年金の支給額が増えるといったメリットも享受できます。
これから副業を始める方も、すでに始めている方も、社会保険の基本と注意点をしっかりと押さえ、自身の働き方に最適な選択を心がけていきましょう。
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