2026年2月6日
働き方改革が進む中、育児・介護・不妊治療など、従業員のライフステージに寄り添った職場環境の整備は、企業にとって重要な経営課題となっています。特に中小企業では、限られた人員と資源のなかで制度整備を進めるには、費用や運用面での負担が大きくなりがちです。そんな中、国が提供する「両立支援等助成金」は、企業の制度導入を強力にバックアップしてくれる心強い制度です。本記事では、2025年度の最新情報をもとに、助成金の仕組みや申請の流れ、メリット、注意点までをわかりやすく解説します。制度を正しく理解し、戦略的に活用することで、従業員に選ばれる職場づくりを一歩進めましょう。
目次
1.両立支援等助成金とはどんな制度?仕事と家庭の両立を応援する公的支援
1.1 働く人のライフステージに対応するために必要な制度
1.2 支給対象となるのは企業の制度整備と実行
1.3 多様なライフイベントに対応する複数のコース
1.4 経営面にもプラスの効果をもたらす助成金制度
2.2025年度版両立支援の助成金の全6コースと対象内容を網羅的に解説
2.1 企業の多様な課題に対応する6つの支援コース
2.2 1. 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
2.3 2. 介護離職防止支援コース
2.4 3. 育児休業等支援コース・4. 育休中等業務代替支援コース
2.5 5. 柔軟な働き方選択制度等支援コース・6. 不妊治療及び女性の健康課題対応支援コース
3.両立支援の助成金を活用することで企業が得られる3つのメリット
3.1 最大100万円以上の受給が可能で導入コストを大幅カット
3.2 働きやすい職場づくりが従業員の定着率向上につながる
3.3 採用力と企業イメージの向上で好循環を生む
4.両立支援の助成金の申請は4ステップ!実務担当者が知っておくべき流れ
4.1 社内制度の整備と就業規則への明記が第一歩
4.2 支援プランの作成には従業員との面談がカギ
4.3 実施内容の記録と証拠資料の管理を忘れずに
4.4 タイミングを逃さず支給申請へ
5.両立支援の助成金を確実に活用するための注意点と実務のコツ
5.1 制度運用にはスケジュールの余裕が不可欠
5.2 担当者の明確化と社内での体制づくり
5.3 同じ従業員で複数回の助成金申請は可能?
5.4 2回目の申請可否やコース併用の判断基準
6.両立支援の助成金を使った働き方改革まとめ:制度の力で従業員に寄り添う会社へ
6.1 従業員の「辞めない理由」をつくる制度
6.2 助成金は経営課題の解決にもつながる
6.3 企業文化としての「両立支援」の定着を目指す
6.4 両立支援の助成金で企業も従業員も共に成長する未来へ
1.両立支援等助成金とはどんな制度?仕事と家庭の両立を応援する公的支援
1.1 働く人のライフステージに対応するために必要な制度
少子高齢化が進む中、企業に求められているのは「働きやすい職場環境」の整備です。育児や介護、そして不妊治療など、個人のライフステージに応じたサポートが欠かせません。そうした課題に応えるために用意されているのが、厚生労働省が管轄する「両立支援等助成金」です。この制度は、従業員が仕事と生活を両立できる環境を整備する企業に対して、助成金を支給するもので、経済的負担を軽減しながら働き方改革を進める支えとなります。
1.2 支給対象となるのは企業の制度整備と実行
両立支援等助成金の特徴は、単に制度を設けるだけでなく、「実際に活用された」ことが支給の前提になる点です。たとえば、育児休業や介護休業を実際に従業員が取得し、それに伴い業務を補完する体制を整えた企業が対象になります。つまり、制度設計と運用、どちらも企業の取り組みが評価される仕組みです。助成金を受けるためには、対象となる支援策を就業規則に明記し、従業員への周知も必要になります。
1.3 多様なライフイベントに対応する複数のコース
制度は1種類ではなく、さまざまなニーズに応える複数のコースに分かれています。たとえば、男性の育児休業取得を支援する「出生時両立支援コース」や、社員の介護離職を防ぐ「介護離職防止支援コース」など、企業の課題に応じたコースを選んで申請する形になります。これにより、自社に合った支援策を柔軟に導入することができます。
1.4 経営面にもプラスの効果をもたらす助成金制度
この制度の活用によって、従業員の満足度や定着率が向上するだけでなく、企業の社会的評価や採用力の向上にもつながります。また、助成金という形で経済的支援を受けることができるため、コスト面でもメリットがあります。結果として、働き方改革の推進と経営課題の解決を同時に実現する強力なツールとなります。
両立支援等助成金は、従業員と企業の双方にとって「選ばれる職場づくり」を支える制度です。次は、具体的な各コースの内容について詳しく見ていきましょう。
2.2025年度版両立支援の助成金の全6コースと対象内容を網羅的に解説
2.1 企業の多様な課題に対応する6つの支援コース
両立支援等助成金は、育児・介護・不妊治療など、従業員が直面するさまざまなライフイベントと仕事を両立させるために、企業を支援する制度です。2025年度における本制度の最大の特徴は、目的別に6つの支援コースが用意されており、企業のニーズに応じて柔軟に選択・活用できる点にあります。これらのコースは、従業員が安心して長く働ける職場環境をつくるための具体的な施策を後押しするものです。
2.2 1. 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
男性の育児休業取得促進を目的としたこのコースでは、子どもが生まれた直後の時期に男性従業員が育休を取得した企業に対し、一定の助成が行われます。取得促進のための事前面談や、育児休業中の業務引き継ぎ体制の構築も支給要件に含まれています。男性育休取得率を高めたい企業にとっては、特に活用価値の高い制度です。
2.3 2. 介護離職防止支援コース
介護と仕事の両立を支援し、社員の離職を防ぐためのコースです。介護休業制度の整備だけでなく、柔軟な勤務制度(短時間勤務や時差出勤など)の導入と活用も求められます。制度の導入・運用を行う企業に対して助成が出るため、介護を抱える中堅社員の支援に悩む企業におすすめです。
2.4 3. 育児休業等支援コース・4. 育休中等業務代替支援コース
育児休業取得を促す制度設計・運用に加え、育休取得者の代替要員を雇用する企業を支援するのがこの2つのコースです。円滑な業務の継続と、育児との両立を実現するための現実的な支援策となっています。特に中小企業にとっては、代替人員の確保に対する経済的支援は大きなメリットです。
2.5 5. 柔軟な働き方選択制度等支援コース・6. 不妊治療及び女性の健康課題対応支援コース
テレワークやフレックス制度など、柔軟な働き方を導入する企業に向けた支援が「柔軟な働き方選択制度等支援コース」です。また、女性従業員の不妊治療や月経困難症など、健康課題に配慮した制度整備に取り組む企業に対しては、「不妊治療及び女性の健康課題対応支援コース」が適用されます。女性の活躍推進やダイバーシティを重視する企業にとっては不可欠な支援策と言えます。
6つのコースはそれぞれ異なる要件と目的を持ちますが、共通しているのは「実行された制度に対して助成される」という点です。形だけでなく、実態として従業員の働きやすさに貢献する制度運用が求められます。
3.両立支援の助成金を活用することで企業が得られる3つのメリット
3.1 最大100万円以上の受給が可能で導入コストを大幅カット
両立支援等助成金は、制度を整備し、実際に運用した企業に対して支給されるため、非常に実効性の高い支援策です。コースによって異なりますが、たとえば「出生時両立支援コース」では最大で57万円、他のコースを組み合わせることで総額100万円以上の受給も可能となります。人事制度の新設や改訂には費用と労力がかかりますが、この助成金を活用することで、初期費用や運用コストを実質的に軽減できます。特に中小企業にとっては、助成金があることで制度導入のハードルが大きく下がります。
3.2 働きやすい職場づくりが従業員の定着率向上につながる
制度を導入し、社員のライフスタイルに配慮した柔軟な働き方を提供することで、社員満足度は確実に上がります。育児や介護などの理由で優秀な人材が辞めてしまうリスクも低減され、定着率の改善にも直結します。たとえば、介護離職を防ぐ制度を導入し実際に活用された企業では、離職率が減少し、結果的に人材採用や教育にかかるコストも削減できたという事例があります。制度の整備は、単なる福利厚生の充実ではなく、経営的な観点からも大きな意義を持つのです。
3.3 採用力と企業イメージの向上で好循環を生む
両立支援に積極的な企業は、求職者からの評価が高くなります。「育児や介護と両立できる会社」という認識は、企業イメージの向上に直結します。また、最近では求職者が企業を選ぶ際に「働きやすさ」や「制度の柔軟性」を重視する傾向が高まっており、こうした助成金制度の活用実績があるかどうかが、企業の採用競争力を左右することも少なくありません。結果として、良い人材が集まりやすくなり、組織全体の活性化にもつながります。
両立支援の助成金制度は、単なる金銭的サポートにとどまらず、企業の制度改革、従業員満足、採用力強化といった多面的な効果をもたらします。単年度の支援で終わらせるのではなく、中長期的な視点で企業力を高めるための戦略的な活用が求められています。
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4.両立支援の助成金の申請は4ステップ!実務担当者が知っておくべき流れ
4.1 社内制度の整備と就業規則への明記が第一歩
両立支援等助成金の申請は、まず制度設計から始まります。たとえば、育児休業や介護休業の取得支援制度を導入し、その内容を就業規則に明記する必要があります。ただし、制度を作っただけでは不十分で、従業員への周知も必須です。説明会の実施やイントラネット掲載、書面での通知など、実際に全社員に伝わったことを証明できる方法で周知することが重要です。ここを疎かにすると、後の申請時に不備として扱われ、支給が認められないケースもあります。
4.2 支援プランの作成には従業員との面談がカギ
制度を整えたら、対象従業員との面談を行い、具体的な支援プランを作成します。たとえば、育児休業を取得する社員に対しては、「育児復帰支援プラン」として、休業前の引き継ぎ内容、復帰後の業務内容、フォロー体制などを明記します。このプランはテンプレートがある程度用意されていますが、各企業の実情に合わせてカスタマイズすることが求められます。従業員本人と合意のうえで作成し、書面として残しておくことが重要です。
4.3 実施内容の記録と証拠資料の管理を忘れずに
助成金の審査では、実際に制度を運用した証拠が求められます。たとえば、育休取得者の業務を誰が代替したか、その人の雇用契約書や勤務実績などが必要です。また、育休や介護休業の取得日数、引き継ぎを実施した日付、面談の記録なども整理しておく必要があります。申請時に慌てないためにも、制度運用のタイミングから証拠資料を意識的に収集・保管することが大切です。
4.4 タイミングを逃さず支給申請へ
すべての準備が整ったら、いよいよ申請です。多くのコースでは、「育休の開始」「職場復帰」のタイミングなど、申請期限が細かく定められています。たとえば、復帰後2か月以内に申請しなければならないといった制限がありますので、スケジュール管理が欠かせません。期限を過ぎると、要件を満たしていても不支給となる恐れがあります。申請書類は厚生労働省のWebサイトから入手でき、提出は都道府県の労働局などを通じて行います。
助成金申請は複雑に見えますが、手順を理解し、計画的に取り組むことでスムーズに進められます。次に、制度を確実に活用するための注意点について確認しましょう。
5.両立支援の助成金を確実に活用するための注意点と実務のコツ
5.1 制度運用にはスケジュールの余裕が不可欠
両立支援等助成金の活用にあたって最も重要なのは、スケジュール管理です。助成金の申請には、制度の導入から就業規則の改定、対象者との面談、制度の実施、復職後の手続きまで、一連のプロセスを段階的に踏む必要があります。特に申請期限がある場合、うっかり提出を忘れてしまうと、どれだけ取り組みが適切でも不支給となってしまいます。計画段階で年間スケジュールを策定し、担当者や対象従業員と共有しておくことが成功のカギです。
5.2 担当者の明確化と社内での体制づくり
制度導入にあたっては、責任者や実務担当者を明確にすることが不可欠です。人事部だけに任せるのではなく、現場の管理職や従業員とも連携しながら制度の運用を進めましょう。支援プランの作成や面談対応、証拠資料の管理などは細かな作業が多く、担当が曖昧だと進行が滞る原因になります。社内マニュアルを作成し、誰が何をすべきかを明文化しておくことで、スムーズな運用と申請につながります。
5.3 同じ従業員で複数回の助成金申請は可能?
よくある疑問として、「同一の従業員が複数回助成金の対象になるのか?」という点があります。結論としては、原則として一部のコースを除き、同一の従業員での重複申請は認められていません。たとえば、育児休業を取得した同じ社員が、再度の育休や他の制度での申請対象になるかは、コースごとの要件によって異なります。申請前に必ず最新の制度要項やQ&Aを確認し、労働局などに事前相談することをおすすめします。
5.4 2回目の申請可否やコース併用の判断基準
「1度申請した制度を再度活用できるか?」「複数のコースを併用できるか?」といった点も、制度の活用において大切な判断材料です。複数コースの同時申請は可能なケースもありますが、同一の取り組みを重複して申請することはできません。また、コースによっては、1事業所あたりの回数制限や金額上限が設定されているため、初回の申請時点から将来的な展開も見据えて戦略的に進めることが大切です。
助成金制度は決して万能ではなく、正確な知識と事前準備が求められます。注意点を理解し、制度の意図を汲み取った上で活用することが、企業と従業員双方にとって最大の効果を生み出すポイントです。
6.両立支援の助成金を使った働き方改革まとめ:制度の力で従業員に寄り添う会社へ
6.1 従業員の「辞めない理由」をつくる制度
育児、介護、不妊治療といったライフイベントは、従業員の働き方に大きな影響を与える要素です。そうした状況に直面しても、安心して働き続けられる環境が整っていれば、従業員は企業への信頼を高め、長く勤めたいと感じるようになります。両立支援等助成金は、企業がこうした働き方の支援を実現するための強力なサポートとなります。単なる金銭的援助にとどまらず、「辞めずに働き続けられる」理由を提供する制度なのです。
6.2 助成金は経営課題の解決にもつながる
人手不足や採用難といった課題に直面している企業にとって、助成金の活用は単なるコスト削減手段ではなく、企業価値を高める投資といえます。従業員が安心して働ける環境を整えることで、離職率が下がり、教育コストや採用コストの削減にもつながります。さらに、働きやすい職場環境が整っている企業は、求職者からの評価も高くなり、優秀な人材が集まりやすくなるという好循環を生み出します。
6.3 企業文化としての「両立支援」の定着を目指す
助成金を活用すること自体が目的ではなく、その制度を通じて「従業員に寄り添う企業文化」を根づかせることが最終的な目標です。制度が一時的に導入されるだけでなく、継続的に運用され、必要に応じて改善されることで、企業の信頼性と柔軟性が増していきます。特に中小企業にとっては、限られた資源の中でこうした取り組みを行うこと自体が差別化となり、ブランディングにも直結します。
6.4 両立支援の助成金で企業も従業員も共に成長する未来へ
両立支援の助成金制度は、従業員の働き方を支えながら、企業の経営課題にも対応することができる実践的な制度です。正しく理解し、適切に運用することで、企業と従業員の信頼関係が深まり、双方にとってプラスの成果をもたらします。変化する社会の中で求められるのは、「誰もが安心して働ける環境」を提供できる企業です。両立支援等助成金の活用は、その第一歩となるはずです。
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