働く人にとって欠かせない制度の一つである「有給休暇」。しかし、忙しさに追われて気がつけば消滅していた…そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。有給には使用できる「期限」があり、きちんと理解しておかないと本来休めるはずの時間を無駄にしてしまう可能性があります。
この記事では、「有給 期限」に関する基本的なルールや繰越の仕組み、損をしないための対策をわかりやすく解説していきます。正しい知識を持って、自分の働き方をより充実させていきましょう。
2025年12月19日
目次
1.有給休暇には有効期限があり使わなければ消滅してしまう
1.1 有給休暇の有効期限は付与から2年間と法律で定められている
1.2 時効の起算日は会社が有給を付与した日からスタートする
1.3 未消化の有給休暇は時効で自動的に消滅する
1.4 未払いの有給休暇に関するトラブルは5年以内に請求が必要
2.消滅してしまう有給休暇は買い取りできるのか
2.1 原則として有給休暇の買い取りは法律で禁止されている
2.2 退職時や特別な事情がある場合のみ例外的に認められる
2.3 有給の買い取り制度を導入している企業も一部存在する
2.4 有給を無駄にしないためには計画的な取得が最善の方法
3.有給の消滅を防ぐための具体的な方法と注意点
3.1 年5日の有給取得義務を利用して計画的に消化する
3.2 会社が勝手に有給を使わせるような行為は違法になることも
3.3 就業規則で有給の時効を短縮することは認められない
3.4 自分の有給残日数と期限を把握しておくことが大切
4.有給の繰越ルールを知り上手に使い切ろう
4.1 繰越できるのは最大1年分だけで期限は2年間
4.2 パートやアルバイトでも繰越は可能
4.3 有給の残日数と繰越期限は定期的にチェックしよう
4.4 計画的に古い有給から使い切る意識が必要
5.新しく付与された有給と繰越分はどちらが先に消化される?
5.1 原則として繰越分から先に使われる仕組み
5.2 有効期限の早い有給から自動的に消化される理由
5.3 取得状況は勤怠システムで確認を
5.4 計画的に古い有給から使い切る意識が必要
6.有給期限を理解し計画的な取得で損を防ごう
6.1 有給期限と有給休暇の仕組みを理解して未消化をなくそう
6.2 消えてから後悔しないように早めの取得を心がける
6.3 会社任せにせず自分でも管理を
6.4 有給休暇は自分のために活用するもの
1.有給休暇には有効期限があり使わなければ消滅してしまう
1.1 有給休暇の有効期限は付与から2年間と法律で定められている
多くの働く人にとって「有給休暇」は当然の権利として認識されていますが、その一方で「いつまで使えるのか」という点を意外と知らずにいるケースは少なくありません。
有給休暇には有効期限があり、一定期間を過ぎると自動的に消えてしまいます。
労働基準法では、有給休暇の有効期限を「付与日から2年間」と明確に定めています。つまり、2年を過ぎればその有給は消滅し、もう使うことができません。せっかくの権利を無駄にしないためにも、この期限を意識したスケジュール管理が重要です。
1.2 時効の起算日は会社が有給を付与した日からスタートする
有効期限の起算点も見落としがちなポイントです。有給の時効は「実際に付与された日」からスタートします。たとえば、2023年4月1日に10日間の有給が付与された場合、その有給の有効期限は2025年3月31日までとなります。
このため、「いつ付与されたか」をきちんと把握していないと、気づかないうちに時効を迎えてしまう可能性があります。人事部や勤怠管理システムで確認できることが多いので、定期的にチェックする習慣をつけましょう。
1.3 未消化の有給休暇は時効で自動的に消滅する
忙しさや遠慮から有給をなかなか使えず、気づけば2年間が経過していた…そんな場合、その有給は時効によって自動的に消滅します。これは法律で定められたルールであり、会社側が特別に延長することは基本的に認められていません。
つまり、有給は「使わないと損をする」制度だと認識しておくべきです。「何となく残しておきたい」と思っているうちに期限が切れ、結果としてゼロになってしまうのは避けたいところです。
1.4 未払いの有給休暇に関するトラブルは5年以内に請求が必要
一方で、企業が違法に有給休暇を与えなかった、または取得を拒否したなどの場合は、労働者からの請求が可能です。ただし、この請求にも期限があり、原則として「5年以内」に行う必要があります。
たとえば、有給休暇の管理簿が作成されていなかったり、不当に申請が却下されたりした場合には、労働基準監督署に相談することもできます。しかし、証拠や記録が必要になるため、日頃から申請の記録などを残しておくと安心です。
これらのルールを正しく理解することが、有給休暇を最大限に活用する第一歩です。消えてから後悔することのないよう、日常的に「自分の有給は今何日あるのか」を意識し、計画的に取得していくことが求められます。
2.消滅してしまう有給休暇は買い取りできるのか
2.1 原則として有給休暇の買い取りは法律で禁止されている
「使い切れなかった有給休暇はお金に換えてもらえるのでは?」と考える人も少なくありません。特に忙しくてなかなか休めない職場では、有給を現金化してほしいという声もあります。しかし、労働基準法では、有給休暇の買い取りは原則として禁止されています。
これは、有給休暇が「労働者の健康と生活を守るための休養の時間」であるという考え方に基づいています。金銭との交換を認めてしまうと、制度本来の目的である「休むこと」が軽視されてしまうからです。そのため、会社が任意で買い取ることも、基本的には違法となります。
2.2 退職時や特別な事情がある場合のみ例外的に認められる
ただし、いくつかの例外が存在します。最も代表的なのが「退職時の未消化有給休暇」のケースです。労働者が退職する際、消化しきれなかった有給が残っていた場合、それを買い取って精算することは合法とされています。
また、就業規則に基づき、繰越期間を過ぎて時効が成立した分の有給を、会社が任意で買い取るといった特別な取り扱いもあります。この場合も、あくまで企業側の裁量によるものであり、法的な義務はありません。つまり、企業に買い取りを請求する権利が労働者にあるわけではない点に注意が必要です。
2.3 有給の買い取り制度を導入している企業も一部存在する
一部の企業では、福利厚生の一環として「有給休暇の一部買い取り制度」を導入している場合もあります。ただし、これはあくまでも就業規則や社内制度によって明記されている場合に限ります。
導入されているかどうかは、雇用契約書や就業規則、社内ポータルなどを確認することで把握できます。知らずに損をしないためにも、自社の制度について定期的に確認することが大切です。
2.4 有給を無駄にしないためには計画的な取得が最善の方法
買い取りが原則として認められていない以上、有給を無駄にしないためには「きちんと使う」ことが最も確実な手段です。特に繁忙期が終わったタイミングや、比較的業務が落ち着いている時期を見極めて、早めに申請することが有効です。
また、年5日の有給取得が義務付けられていることもあり、会社としても取得を促進する必要があります。制度やルールを理解し、自分の権利をしっかり活かすことが、働き方の質を高める第一歩となります。
3.有給の消滅を防ぐための具体的な方法と注意点
3.1 年5日の有給取得義務を利用して計画的に消化する
働く人にとって有給休暇は重要な休養の機会ですが、「忙しくて取れない」「タイミングがない」と後回しにしているうちに消滅してしまうケースが後を絶ちません。そうしたリスクを減らすため、現在では年5日の有給取得が義務化されています。
これは2019年の法改正により、会社側が従業員に対して年に5日以上の有給休暇を確実に取得させる義務を負うことになったものです。これをうまく活用することで、計画的に有給を消化しやすくなります。職場の繁閑に合わせて取得計画を立て、先延ばしにせず少しずつ使っていくことが大切です。
3.2 会社が勝手に有給を使わせるような行為は違法になることも
一部の企業では、有給を消化させるために「今日は有給にしたから休んで」と一方的に日程を決めたり、従業員の同意なしに出勤日を調整して有給を充てるような行為を行っていることがあります。しかし、これらは基本的に違法です。
有給休暇の取得日は原則として労働者が自由に選ぶ権利があり、会社側は勝手に決めることはできません。もちろん、事前に相談して合意が得られた場合は問題ありませんが、通知のみで有給扱いにするのは労働基準法に違反する可能性があります。
3.3 就業規則で有給の時効を短縮することは認められない
中には「うちの会社では有給の有効期限は1年」など、就業規則で独自のルールを定めている企業も存在します。しかし、法律で定められた2年の時効を会社側のルールで短縮することはできません。
労働基準法は強行法規であり、企業の就業規則よりも優先される性質があります。仮にそのような規定があったとしても法的には無効です。従業員としては「会社のルール=絶対」ではなく、法律に基づいて自分の権利を正しく理解しておく必要があります。
3.4 自分の有給残日数と期限を把握しておくことが大切
有給の消滅を防ぐ最も確実な方法は、自分の「有給残日数」と「その期限」を定期的に確認することです。ほとんどの会社では、勤怠管理システムや給与明細で有給の残日数が確認できるようになっています。
また、スマートフォンでリマインダーを設定したり、年初に年間の有給取得計画を立てておくことも効果的です。有給を「権利」としてしっかり活用することで、心身のリフレッシュにもつながり、仕事の効率やモチベーション向上にも良い影響を与えます。
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4.有給の繰越ルールを知り上手に使い切ろう

4.1 繰越できるのは最大1年分だけで期限は2年間
有給休暇は毎年一定の日数が付与されますが、すべてをその年に使い切るとは限りません。使い残した有給はどうなるのか気になるところです。結論から言えば、未消化の有給休暇は翌年に「繰越」することができます。
ただし、この繰越には上限があります。具体的には「付与された日から2年間」の有効期限が適用されるため、実質的に1年分しか繰り越すことができません。
したがって、2年間で最大40日分(毎年20日付与の場合)までが有給の保有上限となることが一般的です。無制限に繰越せるわけではないことを覚えておく必要があります。
4.2 パートやアルバイトでも繰越は可能
正社員に限らず、パートタイムやアルバイトとして働いている人にも有給休暇は認められており、当然ながら繰越のルールも同様に適用されます。週の所定労働日数に応じて比例付与されるため、有給の日数は少なくても、使い切れなかった分は翌年に持ち越すことができます。
たとえば、週3日勤務のパートスタッフが6日間の有給をもらった場合、3日使って3日残せば、翌年にその3日を繰越すことが可能です。ただし、こちらも有効期限は2年間であり、繰り越した分も時間が経てば消えてしまいます。
雇用形態にかかわらず、与えられた権利を有効に使うことが求められます。パートやアルバイトの方も「どうせ少ないから」と放置せず、しっかり管理しておくことが大切です。
4.3 有給の残日数と繰越期限は定期的にチェックしよう
繰越が可能とはいえ、期限を過ぎればその権利は消滅してしまいます。そのため、「今、繰越している有給はいつまで使えるのか?」という意識を持つことが大切です。
多くの企業では、給与明細や勤怠管理システムに有給休暇の「付与日」「残日数」「繰越分の期限」などが表示されているため、月に1回は確認する習慣をつけると良いでしょう。
また、年末や年度の節目に、上司と有給取得の相談をしておくことで、繁忙期を避けた計画的な消化が可能になります。業務の都合だけでなく、自身の健康やリフレッシュのためにも、有給の繰越を無駄にしない意識を持ちましょう。
4.4 計画的な有給取得が繰越分の消滅を防ぐ
最終的には「有給休暇は使わないと消えてしまう」という点を踏まえて、年に数回は意図的に休暇をとるような働き方を心がけることが必要です。
業務の繁忙期を避け、事前に上司や同僚と連携を取ることで、無理なく取得できる体制を作ることができます。繰越できるのは1年分までというルールを理解し、優先的に古い有給から使うように意識することが、賢い使い方です。
5.新しく付与された有給と繰越分はどちらが先に消化される?
5.1 原則として繰越分から先に使われる仕組み
有給休暇を使うとき、どの年に付与された分から消化されるのか、気にしたことはありますか?実は、有給休暇の消化順には明確なルールがあります。
結論から言えば、原則として「古い有給」つまり繰越分から優先的に使われる仕組みになっています。
このルールには合理的な理由があります。有給休暇には2年間の時効があるため、先に古い有給を使うことで、消滅のリスクを減らすことができるのです。
新しく付与された有給は翌年に繰越が可能なので、使用期限がより長く残っています。したがって、繰越分を先に消化するのが最も合理的な運用といえます。
5.2 有効期限の早い有給から自動的に消化される理由
企業がこの消化ルールを導入している背景には、従業員の不利益を防ぐという観点があります。もし新しい有給から先に使われてしまうと、古い繰越分は使われずに時効で消滅してしまう可能性が高くなります。
そのため、多くの勤怠管理システムでは、有効期限の早い有給から自動的に消化するよう設定されています。従業員が申請時にどの年の有給を使うかを選べないのも、こうしたルールに基づいていることが多いです。
労働者が不利益を被らないための配慮として、消化の優先順位があらかじめ決まっていると考えると納得しやすいでしょう。
5.3 取得状況は勤怠システムで確認を
自分の有給がどの年度の分から消化されているかを確認するには、勤怠管理システムや給与明細のチェックが有効です。多くの企業では、有給の「繰越分」「当年度分」がそれぞれ明記されており、取得のたびにどの分が使われたかが表示される仕組みになっています。
この情報を定期的に確認しておくことで、「まだ繰越分が残っている」といった判断ができ、消滅を防ぐ計画的な取得にもつながります。とくに年度末が近づいたタイミングでの確認は重要です。
5.4 計画的に古い有給から使い切る意識が必要
有給休暇は、自動的に古い順から消化されるとはいえ、実際にいつ取得するかは本人の意思に委ねられています。そのため、古い有給が消滅する前に積極的に取得することが大切です。
有給の有効活用は、働く人の心身の健康だけでなく、職場全体の生産性にも好影響をもたらします。制度のルールを理解し、自分に合ったスタイルで休暇を取得する習慣を身につけましょう。
6.まとめ
有給休暇は、労働者の健康を守るために与えられる大切な権利ですが、実際には「期限が切れて消滅してしまった」という声が後を絶ちません。その大きな理由は、有給の期限や繰越ルールを十分に理解していないことにあります。
有給休暇の管理は、会社側も行っていますが、すべてを任せきりにしていては、自分の状況を見落とす可能性があります。特に繰越分の期限や、あと何日残っているかといった情報は、自ら定期的に確認することが大切です。
有給休暇は単なる権利ではなく、心身のリフレッシュや家族との時間、自己研鑽のために使うことができる貴重な資源です。これを無駄にせず、しっかり活用することで、仕事のパフォーマンス向上にもつながります。
「知らなかった」で損をする前に、今こそ有給の期限と制度を見直し、自分の働き方に合った使い方を考えることが大切です。
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