社会保険における仕事の掛け持ちで困らないために知っておくべきルールと注意点

2025年7月30日

働き方が多様化した現代では、複数の職場で働く「掛け持ち勤務」や「ダブルワーク」が一般的になりつつあります。しかし、それに伴い気になるのが「社会保険ってどうなるの?」という問題です。社会保険の仕組みは複雑で、働き方や収入、勤務先の規模によって加入の有無が変わるため、何も知らずに働いていると、思わぬトラブルや金銭的な負担が発生する可能性があります。

本記事では、掛け持ち勤務をしている、あるいは検討している方に向けて、「社会保険と仕事の掛け持ち」に関する制度の基本、加入条件、税金や扶養との関係、注意点などを網羅的に解説します。2024年10月からの法改正による影響も踏まえて、今後の働き方を見直すための判断材料として、ぜひお役立てください。

目次

1.基本的な仕組みを理解しよう
 1.1 
社会保険はどこで加入するのかがポイント
 1.2 
主な勤務先かどうかで判断されるケースが多い

2.加入条件の具体的な基準
 2.1
 1社で週の労働時間が正社員の3/4を超えると加入対象
 2.2
 1社で年収106万円を超えると加入の可能性あり

3.扶養の関係性を整理しよう
3.1
年収130万円を超えると完全に扶養から外れる

4.片方だけ加入できる?両方加入が必要?
 4.1
 条件によっては両方で加入の可能性もある

5.2024年10月の社会保険適用拡大が掛け持ち勤務に与える影響
 5.1 
適用拡大で加入対象者が増える

6.税金との関係性も確認しよう
 6.1
 103万円・130万円などの収入ラインを超えると課税対象に

7.メリットとデメリット
 7.1 
年金受給額や給付金などのメリットがある
 7.2 
一方で手続きの負担や保険料の負担増も

8.気を付けたい手続きや申告のポイント
 8.1 
雇用保険は1か所のみ、確定申告が必要な場合もある

9.ありがちな疑問と回答
 9.1 
勤務先に副業がバレるのか?年末調整はどちらで行う?

10.仕事の掛け持ちにおける社会保険についてのまとめと確認すべきポイント
 10
.1 仕事の掛け持ちにおけるの社会保険について全体像と自分に必要な対応を把握しよう

1.基本的な仕組みを理解しよう

社会保険制度は、日本において国民の生活を守るために整備された仕組みです。雇用されて働いている人の多くは、勤務先を通じて健康保険・厚生年金などに加入しますが、これが「掛け持ち」で働く場合となると、どう扱われるのか不安に思う方も多いでしょう。

特にパートやアルバイトを複数掛け持ちしている人にとっては、「どの勤務先で加入するの?」「2つとも加入が必要?」といった疑問がつきまといます。

ここでは、掛け持ちで働く人が社会保険にどう向き合えばよいのか、基礎からわかりやすく説明します。知識を持たずに曖昧なまま働き続けてしまうと、後々保険料の未納や追徴などのトラブルを招くことがあります。正しく仕組みを理解して、安心してダブルワークに取り組めるようにしましょう。

パート・アルバイトの社会保険加入などについてまとめた内容は、以下の記事になりますのであわせてお読みください。

関連記事:社会保険加入のタイミングはいつから?正社員やパート・アルバイトの加入条件や時期も解説

1.1 社会保険はどこで加入するのかがポイント

社会保険の加入先は、「どの勤務先を基準にするか」がカギになります。多くの人が「一番長く働いている会社」「一番収入が多い職場」で自動的に加入するものと思っていますが、実際には少し違います。加入の判断はあくまでも「その会社ごとの条件を満たしているか」によって決まります。

たとえば、A社では週30時間働いていて、B社では週15時間というようなケースを考えてみましょう。この場合、A社の方が正社員に近い働き方をしているとみなされ、そこで社会保険に加入するのが一般的です。A社が健康保険や厚生年金の適用事業所であれば、保険料は給与から天引きされ、B社では加入不要という扱いになります。

ただし、どの会社にも加入要件を満たしていなければ、いわゆる「国民健康保険・国民年金」に自分で加入し、保険料を自ら支払うことになります。これには手間も費用もかかるため、1社で社会保険に加入できる条件を満たすようにシフトを調整する人も少なくありません。

必ず各会社の条件に基づいて、自動的に判断されるというのが重要なポイントです。

1.2 主な勤務先かどうかで判断されるケースが多い

複数の職場で働いている場合、「主たる勤務先かどうか」で社会保険の加入先を決めるという考え方もあります。これは、特に雇用保険の適用判断の場面でよく使われる基準ですが、健康保険や厚生年金にも実質的に影響します。

具体的には、勤務時間・日数・収入のいずれをとっても多い勤務先を「主たる勤務先」と見なし、そちらで社会保険の加入が進められるケースが多いです。もし両方の勤務先で条件を満たしてしまう場合は、「どちらを主とするか」について、事業所同士で協議したり、従業員の実態に基づいて判断されることがあります。

「社会保険は原則1社で加入」「どちらの会社で加入するかは労働実態に基づく」というのが基本ルールです。ただし、2024年10月の制度改正以降は、この前提が一部変わる可能性もあるため、常に最新情報をチェックすることが大切です。

EPCS沖縄のLINE公式アカウントを友達追加されていますか?

この公式アカウントでは、プロ目線の社会保険や給与計算、助成金関係など、有益な情報をタイムリーに届けるために活用しています。

この機会に、以下のリンクをタップし、友達追加してください。

>>EPCS沖縄のLINE公式アカウントを見る

2.加入条件の具体的な基準

社会保険の加入は、ただ「働いているから」というだけでは決まりません。一定の労働条件を満たした場合にのみ義務付けられる制度です。特に掛け持ち勤務をしている場合、それぞれの職場でどのような労働条件になっているかによって、加入の必要があるかどうかが変わってきます。

ここでは、掛け持ちで働いている人が社会保険に加入するかどうかを判断するための基準について、具体的な数値や事例を交えながら詳しく解説します。

社会保険の加入義務については、こちらの記事で詳しく知ってください。

参考記事:社会保険の加入義務とは?対象者の条件やパート・アルバイトの適用範囲拡大についても解説!

2.1  1社で週の労働時間が正社員の3/4を超えると加入対象

まず最も基本的でよく知られている加入基準が、「1社で週の労働時間が正社員の4分の3以上あるかどうか」です。例えば、その会社の正社員が週40時間働いているとすれば、その4分の3、すなわち週30時間以上勤務している場合に、社会保険への加入が義務付けられます。

この基準は、会社が大きいか小さいか、掛け持ちかどうかには関係ありません。つまり、掛け持ちしている場合でも、1社でこの労働時間を超えていれば、その会社で社会保険に加入することになります。

実際に、パートやアルバイトで週5日・1日6時間働いているようなケースでは、十分にこの基準を超えるため、社会保険に加入することになります。これにより、健康保険や厚生年金に加入することになり、将来的な年金額にも良い影響を与えます。

一方で、週29時間など、基準に1時間だけ満たない働き方をしている場合でも、会社の裁量や就業実態により例外的に加入対象となることもあるため、最終的には会社側の判断と制度上の規定に委ねられる部分もあります。

2.2  1社で年収106万円を超えると加入の可能性あり

次に重要なのが「年収106万円以上」というラインです。この基準は、従業員が501人以上いる企業で働く場合に適用されることが多く、週の労働時間が20時間以上、かつ年収が106万円を超えると、社会保険に加入する義務が生じます。

この制度は「短時間労働者への社会保険の適用拡大」として導入されたもので、かつては加入が免除されていたパート・アルバイトの多くが、今では対象になるようになっています。特に大企業で働く人にとっては、週20時間を超えると社会保険の義務が出てくるという意識を持つことが大切です。

このような場合、社会保険への加入が必要になるため、あらかじめ勤務時間やシフトを調整しないと、思わぬ負担が生じる可能性があります。

加えて、2024年10月からはこの基準の適用範囲がさらに拡大される予定です。従業員101人以上の企業にも対象が広がる見込みであり、今までは加入不要だった人も対象になることがあるため、自分が勤務する企業の規模や労働条件を必ず確認するようにしましょう。

3.扶養の関係性を整理しよう

社会保険における「扶養」とは、特定の条件を満たした配偶者や親族が、本人(被保険者)の保険に加入することで、保険料を負担せずに健康保険などの保障を受けられる制度です。特に、家族の被扶養者となっている人がパートやアルバイトで働く際に注意すべきなのが、「どの時点で扶養から外れるのか?」という点です。

掛け持ちで働いている人は、複数の勤務先の収入を合算する必要があります。

1社ごとの収入は少なくても、合計で扶養の基準を超えてしまうと、社会保険に個人で加入しなければならなくなり、その分の負担が増えることになります。この点を理解していないと、突然「扶養から外れました」と通知が来て、予想外の出費が発生してしまう可能性があります。

3.1 年収130万円を超えると完全に扶養から外れる

社会保険の扶養に入るためには、年収が130万円未満であることが原則とされています。これは「被扶養者の年間収入が130万円未満であり、かつその収入が扶養者の収入の半分未満である」という条件に基づいています。この年収の上限は、掛け持ちをしている場合でも例外ではありません。

また、この130万円の基準は「将来にわたって見込まれる年収」として判断されます。つまり、一時的に年収が130万円を超えることが確実と見込まれる場合には、その時点で扶養から外れる対象となります。

これは「年収見込み判定」とも呼ばれ、12ヶ月間で130万円を超えると予測されれば、たとえ現在の収入がまだそこまで達していなくても、早めに扶養から外れる措置がとられることもあるのです。

扶養から外れると、自分で健康保険や年金の加入手続きを行い、保険料も全額負担しなければなりません。これは毎月数万円の出費となるため、収入が少し増えたからといって喜んでいると、かえって手取りが減るという逆転現象が起きてしまうこともあります。

4.片方だけ加入できる?両方加入が必要?

掛け持ちで働いている人にとって、「社会保険はどちらの勤務先で加入すればよいのか?」という疑問は非常に多いです。

「すでに一方で加入しているなら、もう片方では関係ない」と考えがちですが、実際の制度はもう少し複雑で、条件によっては両方の会社で加入対象になる場合もあります。

4.1 条件によっては両方で加入の可能性もある

掛け持ち勤務の場合でも、社会保険は原則として「1社ごとの条件」に基づいて判断されます。つまり、それぞれの勤務先が個別に「加入条件を満たしているかどうか」を見て、加入が必要かどうかを判断する仕組みです。

では、どういった場合に「両方の勤務先で加入しなければならない」可能性が出てくるのでしょうか?その代表的なケースが、どちらの会社でも週20時間以上勤務し、かつ年収106万円を超える見込みがある場合です。さらに、その会社が社会保険の適用事業所であり、従業員数が一定以上であることも条件になります。

実際には、制度の運用上、どちらか一方で加入すれば良いとされるケースが多いのですが、2024年10月からの制度改正により、この考え方にも変化が生じる可能性があります。改正後は、適用範囲がより広がることが見込まれており、結果的に「複数事業所での加入」も現実的な選択肢として検討されるようになるかもしれません。

また、「両方で条件を満たしているけど、実務上は主たる勤務先でのみ加入する」といった運用も行われていますが、これはあくまで便宜的な措置であり、制度の趣旨としては両方に加入義務があるとみなされる場合もあることを忘れてはいけません。

結局のところ、「どちらか一方で加入すれば済む」という思い込みは非常にリスクが高く、勤務時間・年収・勤務先の規模といった要素を総合的に見て判断しなければなりません。

5.2024年10月の社会保険適用拡大が掛け持ち勤務に与える影響

働き方が多様化する中で、国は社会保険制度の見直しを進めてきました。その一環として、2024年10月からは社会保険の適用対象がさらに広がります。これまでは社会保険に加入しなくてもよかったパート・アルバイトの方々も、今後は対象になるケースが増えてくると予想されています。

特に、複数の職場で働いている「掛け持ち」や「ダブルワーク」の人にとって、この制度改正は無視できません。「私は関係ない」と思っていた方が、突然加入対象となり、保険料の負担が発生することもあるのです。

この法改正についての詳細は、こちらの記事で詳しく知ってもらえたらと思います。

参考記事:2024年10月施行社会保険制度改正の全貌とは?適用拡大の内容と事業者の対応策を解説

5.1 適用拡大で加入対象者が増える

2024年10月からの制度改正で、社会保険の加入条件が大きく変わります。これまで、厚生年金・健康保険の適用が義務付けられるのは、主に「週20時間以上勤務」かつ「年収106万円以上」の人であり、その会社の従業員数が「501人以上」であることが条件でした。しかし、2024年10月からはこの「従業員数の条件」が大幅に緩和され、101人以上の企業まで対象が広がります。

この改正により、それまで社会保険の適用外だった中小企業のアルバイト・パート従業員も、条件を満たせば自動的に加入義務が発生するようになります。さらに将来的には、従業員51人以上の企業にも対象が拡大されることが政府から発表されています。

これにより、「掛け持ち勤務の一方の職場では対象外だったが、改正後は加入しなければならなくなる」というケースが急増する可能性があります。

これまで「中小企業だから大丈夫」と油断していた方も、この改正によって状況が一変するかもしれません。

つまり、働いている企業の規模にかかわらず、社会保険の対象となる可能性が今後ますます高くなるということです。掛け持ち勤務をしている方にとっては、それぞれの勤務先の就業時間や収入を正確に把握し、制度改正後に慌てないよう事前に準備しておく必要があります。

6.税金との関係性も確認しよう

社会保険に加入するかどうかを考える際に、見落とされがちなのが「税金との関係」です。

実際、掛け持ちで働いている場合には、税金の面でも大きな影響を受ける可能性があります。特に注意すべきなのは、「扶養の範囲を超えることで税負担が発生する」ケースや、「確定申告が必要になる」場面です。

税金に関する制度は複雑で、勤務先や収入の状況によって扱いが変わります。しかし、基本的な仕組みやラインを理解しておけば、大きな失敗や損失を避けることができます。

6.1 103万円・130万円などの収入ラインを超えると課税対象に

まず押さえておくべきポイントは、いわゆる「103万円の壁」と「130万円の壁」です。

これは、配偶者や親の扶養に入っている場合に、税金や社会保険料の支払い義務が発生する境界線のようなものです。掛け持ち勤務をしている場合は、すべての勤務先の収入を合算した上で判断されるため、注意が必要です。

103万円の壁とは、年収が103万円を超えると「所得税」が発生するという基準です。これにより、年末調整時に税金が差し引かれ、手取りが減少することになります。

一方で、130万円の壁は「社会保険の扶養から外れるかどうか」を判断する基準です。年収が130万円を超えると、扶養されている人としての資格を失い、自分で健康保険や年金に加入する必要が出てきます。これは非常に大きな負担で、月々数万円の保険料を支払うことになり、年間で十数万円の出費となる場合もあります。

さらに、これらの金額はあくまで「見込み年収」に基づいて判断されるため、年間途中で勤務時間を増やしたり、掛け持ちを始めたりする場合も要注意です。最初は扶養の範囲内で働いていたとしても、後から収入が増えて基準を超えると、年度途中で扶養から外れることもあります。

そのため、掛け持ち勤務をしている人は、「1社だけで判断しない」「すべての収入を合算して考える」「年収見込みを事前にシミュレーションする」といった視点を持つことが重要です。税金と社会保険の両方の制度を正しく理解することで、自分にとって最適な働き方や収入のバランスを見つけることができるでしょう。

社内で社会保険などの専門分野の知識を持つことは中々難しくて、専門家に相談するケースは非常に多いと思います。そんな中で専門家選びをご検討中の方がおられれば、ぜひ一度弊社までお問い合わせいただければと思います。

社会保険関係は、毎年のように変化しています。

人事担当者の負担を減らし、リスクを最小限に抑えるには、プロによる社会保険業務のアウトソーシングが有効です。

EPCS沖縄では、社会保険業務のアウトソーシングで企業経営のサポートをしています。

安心と効率を手に入れたい方は、一度以下のリンクから弊社までお問い合わせください。

>>EPCS沖縄にお問い合わせはこちら

7.メリットとデメリット

掛け持ち勤務をしていると、「できれば社会保険に入りたくない」「手取りが減るのが嫌だ」と考える方も少なくありません。しかし、社会保険に加入することは、目先の負担だけではなく、将来の生活を守るうえで重要な役割を果たします。

反面、当然ながら加入にともなうデメリットも存在します。

7.1年金受給額や給付金などのメリットがある

社会保険の最大のメリットは、「将来の保障が手厚くなる」という点です。

まず、厚生年金に加入することで、老後に受け取れる年金額が国民年金よりも大幅に増えます。特に、20代・30代のうちから厚生年金に加入しておけば、その分だけ将来の年金受給額が高くなり、老後の生活に安心感を持つことができます。

また、健康保険に加入していれば、病気やけがで仕事を休んだ際に支給される「傷病手当金」や、出産時に支給される「出産手当金」など、国民健康保険にはない各種給付金を受け取ることができます。これは、いざというときに非常に心強い制度です。

さらに、厚生年金や健康保険に加入していることで、会社が保険料の半分を負担してくれるという点も大きな利点です。国民年金や国民健康保険では全額自己負担となるため、会社員でいる間に社会保険に加入することは、費用対効果の面でも有利です。

7.2 一方で手続きの負担や保険料の負担増も

社会保険加入のデメリットとして真っ先に挙げられるのは、「毎月の保険料が高い」という点です。たとえば、月収10万円程度の掛け持ちパートでも、社会保険に加入すると月々1万〜2万円程度が天引きされるケースもあり、手取りが大幅に減ってしまう可能性があります。

また、掛け持ち勤務の場合、それぞれの勤務先とのやり取りが発生し、加入・変更・脱退などの手続きが煩雑になることがあります。

さらに、所得が増えてしまうことで税金や住民税の負担も増え、「頑張って働いたのに、逆に手取りが減ってしまった」というケースもあります。これを避けるために、年収を一定のライン内に収めようと調整しながら働く人も少なくありません。

8.気を付けたい手続きや申告のポイント

掛け持ち勤務をしていると、労働時間や収入だけでなく、「手続き面」でも複雑な対応が求められます。社会保険の仕組みは一見シンプルに見えても、実際には勤務先や状況によって異なる対応が必要です。

手続きを怠ったり、知らないまま放置してしまうと、後からペナルティや追加納付が発生することもあります。これを防ぐには、制度を正しく理解した上で、自ら行動することが求められます。

雇用保険は1か所のみ、確定申告が必要な場合もある

まず大前提として、雇用保険は複数の勤務先すべてで加入できるわけではなく、原則として「主たる勤務先1か所のみ」での加入となります。

ここで注意すべきなのは、「どちらが主たる勤務先か」は明確に定義されているわけではない点です。勤務時間、収入額、勤務の継続性などを総合的に判断して、会社側と本人の合意のもとで決定することが一般的です。どちらにも該当しない中途半端な働き方をしていると、結果として雇用保険の対象外になってしまう可能性もあります。

さらに、掛け持ち勤務で複数の収入源がある場合には、確定申告が必要になるケースがあります。また、副業がアルバイトではなく、個人事業としての請負やフリーランス収入である場合も、48万円以上の所得があれば確定申告が必要です。

確定申告をしないと、後日税務署から指摘を受け、追徴課税や延滞金が発生することもあるため、非常にリスクが高い行動です。

掛け持ち勤務をしている人は、毎年1月~12月の所得を正確に把握し、必要に応じて2月中旬〜3月中旬に行われる確定申告期間中に申告手続きを済ませておきましょう。

9.ありがちな疑問と回答

掛け持ち勤務をしていると、社会保険に関するちょっとした疑問や不安が次々と湧いてくるものです。「手続きはどうなる?」「副業がバレる?」「保険料の計算はどうなっている?」など、一見些細に思えることでも、正確な情報を知らなければ後から大きな問題に発展することもあります。

特に掛け持ちという働き方は、制度のグレーゾーンに近いところが多く、インターネット上にも誤解を招きやすい情報が溢れています。そこでこのセクションでは、多くの方が感じている代表的な疑問に対して、具体的かつ明確な回答を提示します。正しい知識を持つことで、安心して掛け持ち勤務を続けることができるようになります。

勤務先に副業がバレるのか?年末調整はどちらで行う?

副業や掛け持ちをしている場合に最も多く聞かれるのが、「会社にバレないか」という心配です。実際、副業を禁止している会社も少なくないため、バレることで懲戒処分を受けるリスクを感じている方も多いでしょう。

この疑問に対する結論としては、「原則として住民税を通じて会社に知られる可能性がある」となります。副業の収入がある場合、年末調整だけではすべての所得が整理されず、確定申告が必要になることがあります。

その際、副業で得た所得に対して課される住民税を「特別徴収(給与天引き)」のままにしておくと、主たる勤務先に副業分の住民税通知が送られてしまい、副業が発覚するきっかけになります。

この対策としては、確定申告時に住民税の納付方法を「普通徴収(自分で納付)」に変更することで、会社には知られにくくなります。

10.まとめ

社会保険と掛け持ち勤務の関係を理解するためには、まず「どのような条件で社会保険に加入が必要になるのか」を正確に把握する必要があります。

自分自身が「どのラインにいるのか」「どんな手続きが必要なのか」を冷静に見極めることが最も重要です。

そのためには、勤務先の人事担当者や社会保険労務士に相談する、最新の制度改正を追う、年末には収入と税金のシミュレーションを行うなど、具体的な行動が求められます。

経営者にとって「人」と「労務管理」は最も重要な資産です。

だからこそ、複雑な社会保険業務を社内で抱えるよりも、専門家に任せて確実に処理することが、経営リスクを減らす最善策です。

EPCS沖縄では、アウトソーシングによって、ヒューマンエラーの防止・法令遵守・業務効率化を実現しています。

一度弊社までお問い合わせいただき、サービス内容を知ってください。

>>EPCS沖縄のサービス内容を知る

【監修者】
  追立龍祐(Ryusuke Oitate)  社会保険労務士 沖縄県社会保険労務士会理事
  社会保険労務士法人EOS沖縄支店長 株式会社EPCS沖縄 社会保険事業責任者