建設業許可の種類がひと目でわかる!一般・特定・29業種・金額基準までやさしく解説

2026年6月23日

建設業許可を取得しようとすると、「一般と特定の違いは何か」「29種類の業種のうち、どれを選べばよいのか」「知事許可と大臣許可は何が違うのか」と悩む方が少なくありません。建設業許可は、単に申請すればよいものではなく、自社が請け負う工事内容、営業所の所在地、下請に出す金額、今後の事業展開によって必要な種類が変わります。
 間違った種類で申請すると、受注したい工事に対応できなかったり、後から業種追加が必要になったりする可能性があります。この記事では、建設業許可の種類を整理し、一般・特定、知事・大臣、29業種の考え方をわかりやすく解説します。これから許可取得を検討している建設業者の方が、自社に必要な許可を判断できるよう、実務で迷いやすいポイントも含めて紹介します。

目次

1.建設業許可の種類を理解する前に基本を押さえよう

2.建設業許可は一般建設業許可と特定建設業許可に分かれる
 2.1 下請に出す金額で一般と特定の判断が変わる

3.建設業許可には知事許可と大臣許可という種類もある
 3.1 営業所の所在地が許可行政庁を決める

4.建設業許可の29種類の業種を一覧で確認しよう
 4.1 一式工事と専門工事は役割が異なる

5.建設業許可の種類を選ぶときに注意すべきポイント

6.建設業許可の種類の判断で迷ったときの考え方
 6.1 建設業許可の種類は事業内容と将来の受注計画から決めよう

1.建設業許可の種類を理解する前に基本を押さえよう

建設業許可とは、一定規模以上の建設工事を請け負うために必要となる許可です。建設業を営んでいるからといって、すべての工事で必ず許可が必要になるわけではありません。原則として、軽微な建設工事だけを請け負う場合は許可が不要です。たとえば、建築一式工事以外では、1件の請負代金が500万円未満の工事は軽微な建設工事とされています。建築一式工事では、1件の請負代金が1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事などが目安になります。

ただし、許可が不要な範囲で営業していても、元請会社や発注者から許可取得を求められることがあります。公共工事への入札、元請としての受注拡大、信用力の向上を考えるなら、早めに建設業許可の種類を理解しておくことが重要です。建設業許可は、大きく分けると「一般建設業許可と特定建設業許可」「知事許可と大臣許可」「29種類の業種」という3つの視点で整理できます。

この3つを混同すると、自社に必要な許可がわかりにくくなります。たとえば、内装仕上工事を行う会社であれば、まず29業種の中から内装仕上工事業を検討します。さらに、営業所が1つの都道府県内にあるのか、複数の都道府県にあるのかで知事許可か大臣許可かを判断します。そして、元請として大きな工事を受注し、多額の下請契約を結ぶ可能性があるかによって、一般か特定かを考えます。つまり、建設業許可の種類は一つの基準だけではなく、複数の条件を組み合わせて決めるものです。

2.建設業許可は一般建設業許可と特定建設業許可に分かれる

建設業許可の種類で最初に理解したいのが、一般建設業許可と特定建設業許可の違いです。多くの事業者が取得するのは一般建設業許可です。一般建設業許可は、発注者から直接工事を請け負わない場合や、元請として請け負っても下請に出す金額が一定額未満の場合に必要となる許可です。下請専門の建設業者や、小規模から中規模の工事を中心に行う会社であれば、一般建設業許可で対応できるケースが多いです。

一方、特定建設業許可は、元請業者として大きな工事を受注し、下請業者に一定額以上の工事を発注する場合に必要です。特定建設業許可は、下請業者を保護し、工事全体の適正な施工体制を確保する目的があります。そのため、一般建設業許可よりも財産的基礎や技術者要件が厳しく設定されています。単に「大きな会社だから特定が必要」というわけではなく、元請として請け負った工事をどの程度下請に出すかが判断の中心になります。

2.1 下請に出す金額で一般と特定の判断が変わる

一般と特定を判断するときは、発注者から直接請け負った工事について、下請契約の総額を見ることが重要です。元請として受注した工事で、下請に出す金額が一定基準以上になる場合は、特定建設業許可が必要になります。建築一式工事では基準額が高く、それ以外の専門工事では別の基準が設けられています。ここで注意したいのは、自社が一次下請や二次下請として工事を受ける場合は、原則として特定建設業許可の判断対象ではないという点です。

たとえば、塗装工事業者が元請から700万円の塗装工事を請け負い、自社施工を中心に行う場合、通常は特定建設業許可ではなく一般建設業許可を検討します。反対に、元請として建築工事を受注し、多くの専門業者に工事を発注する立場であれば、特定建設業許可が必要になる可能性があります。自社の売上規模だけで決めるのではなく、元請か下請か、下請発注額はいくらか、今後どのような案件を受けたいかを整理して判断しましょう。

3.建設業許可には知事許可と大臣許可という種類もある

建設業許可には、一般・特定の区分とは別に、知事許可と大臣許可という種類があります。これは工事を行う場所ではなく、建設業を営む営業所がどこにあるかで決まります。1つの都道府県内だけに営業所を置いて建設業を営む場合は、都道府県知事の許可を受けます。たとえば、本店も支店も東京都内にある場合は東京都知事許可、営業所が大阪府内だけにある場合は大阪府知事許可という考え方です。

一方、建設業を営む営業所が複数の都道府県にある場合は、国土交通大臣許可が必要です。たとえば、東京都に本店があり、神奈川県にも建設業を営む支店がある場合は、大臣許可の対象になります。ここで誤解されやすいのが、「県外の現場を受注するなら大臣許可が必要なのか」という点です。知事許可であっても、許可を受けた業種の工事であれば、原則として他の都道府県の現場を施工することは可能です。

3.1 営業所の所在地が許可行政庁を決める

知事許可と大臣許可を判断する基準は、現場の場所ではなく営業所の所在地です。営業所とは、単なる作業場や資材置き場ではなく、見積り、契約、請負金額の決定など、建設工事の請負契約に関する実体的な業務を行う拠点を指します。そのため、登記上の支店があるだけで実際に建設業の営業をしていない場合は、営業所に該当しないこともあります。

たとえば、東京の本店だけで契約業務を行い、千葉県や埼玉県の現場に出向いて工事をしている会社であれば、東京都知事許可で足りる可能性があります。しかし、東京本店と大阪支店の両方で建設工事の見積りや契約を行っている場合は、大臣許可が必要になる可能性があります。将来的に他県へ営業拠点を広げる計画がある会社は、知事許可から大臣許可への変更が必要になることもあるため、事業拡大の予定も含めて検討することが大切です。

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4.建設業許可の29種類の業種を一覧で確認しよう

建設業許可の中でも特に重要なのが、29種類の業種です。建設業許可は、建設業全体に対して一括で与えられるものではありません。土木一式工事、建築一式工事、大工工事、左官工事、とび・土工・コンクリート工事、石工事、屋根工事、電気工事、管工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、しゅんせつ工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、機械器具設置工事、熱絶縁工事、電気通信工事、造園工事、さく井工事、建具工事、水道施設工事、消防施設工事、清掃施設工事、解体工事というように、工事内容ごとに業種が分かれています。

自社が取得すべき業種は、実際に請け負う工事の内容によって決まります。たとえば、住宅や店舗の内装工事を中心に行う場合は内装仕上工事業、外壁や屋根の塗装を行う場合は塗装工事業、配管設備を扱う場合は管工事業を検討します。ただし、工事名だけで判断すると間違えることがあります。同じリフォーム工事でも、内装、管、電気、建具、塗装、防水など複数の業種が関係する場合があるため、請負契約の内容や主たる施工内容を確認する必要があります。

4.1 一式工事と専門工事は役割が異なる

29業種の中には、土木一式工事と建築一式工事という「一式工事」があります。一式工事という名称から、すべての専門工事を自由に請け負える許可だと誤解されることがありますが、そうではありません。一式工事は、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を完成させる大規模または複合的な工事を想定した業種です。

たとえば、建築一式工事業の許可を持っていても、500万円以上の内装仕上工事だけを単独で請け負う場合には、内装仕上工事業の許可が必要になることがあります。土木一式工事業の許可を持っていても、舗装工事を単独で請け負うなら舗装工事業の許可が必要になる場合があります。つまり、一式工事は万能な許可ではありません。元請として全体を管理する工事なのか、専門工事を個別に請け負うのかを分けて考えることが、業種選びの重要なポイントです。

5.建設業許可の種類を選ぶときに注意すべきポイント

建設業許可の種類を選ぶときは、現在の工事内容だけでなく、今後受注したい工事まで考えることが大切です。許可を取得した後に別の業種が必要になった場合は、業種追加の申請を行うことになります。もちろん業種追加は可能ですが、申請書類の作成、証明資料の準備、審査期間などが必要です。受注の直前になって「この工事には別の許可が必要だった」と気づくと、契約の機会を逃す可能性があります。

特に注意したいのは、複数の工種が含まれる工事を請け負う会社です。リフォーム会社、設備工事会社、外装工事会社、店舗工事会社などは、内装仕上工事、管工事、電気工事、塗装工事、防水工事、建具工事などが複雑に関係することがあります。自社がメインで行う施工内容だけでなく、請負契約上どの工事を受けるのかを確認し、必要な業種を整理する必要があります。

また、許可の種類によって必要な資格や実務経験も変わります。専任技術者になる人が、どの業種について資格や経験を証明できるかによって、申請できる業種が決まります。たとえば、建築施工管理技士、土木施工管理技士、電気工事施工管理技士、管工事施工管理技士などの資格は、対応できる業種が異なります。実務経験で申請する場合も、経験した工事の内容や期間を証明する資料が重要です。許可を取りたい業種と、証明できる技術者要件が一致しているかを早めに確認しましょう。

さらに、建設業許可は取得して終わりではありません。許可には有効期間があり、継続するには更新申請が必要です。毎事業年度終了後の決算変更届、役員や営業所、専任技術者に変更があった場合の変更届など、取得後の管理も求められます。種類を正しく選ぶことに加えて、許可取得後に維持できる体制を整えることも、安定した建設業経営には欠かせません。

6.建設業許可の種類の判断で迷ったときの考え方

建設業許可の種類で迷ったときは、まず自社の立場を整理しましょう。元請として工事全体を請け負うのか、下請として専門工事を行うのかによって、必要な許可の考え方は変わります。次に、請け負う工事の具体的な内容を確認します。工事名ではなく、実際に施工する内容、契約書や見積書に記載される内容、請負金額、下請に出す金額をもとに判断することが重要です。

そのうえで、営業所の所在地を確認し、知事許可か大臣許可かを判断します。営業所が1つの都道府県内に収まるなら知事許可、複数の都道府県に建設業の営業所を置くなら大臣許可が必要になります。次に、一般建設業許可で足りるのか、特定建設業許可が必要なのかを確認します。元請として大規模工事を受注し、多額の下請発注を行う予定がなければ、一般建設業許可から検討するケースが多いです。

6.1 建設業許可の種類は事業内容と将来の受注計画から決めよう

建設業許可の種類を正しく選ぶには、現在行っている工事だけでなく、将来どのような工事を受注したいかを考えることが大切です。たとえば、今は小規模な内装工事が中心でも、今後は店舗改装を一括で請け負いたい場合、内装仕上工事業だけで足りるのか、建築一式工事や他の専門工事も必要になるのかを検討する必要があります。外壁工事でも、塗装、防水、屋根、板金など複数の業種が関係することがあります。

最終的には、「どの業種で許可を取るか」「一般か特定か」「知事か大臣か」を組み合わせて、自社に合う建設業許可を決めます。判断を誤ると、取りたい工事を受注できなかったり、許可を追加する手間が発生したりします。反対に、最初から事業内容に合った許可を取得できれば、元請会社や発注者からの信頼を得やすくなり、受注の幅も広がります。建設業許可は、単なる手続きではなく、事業を成長させるための土台です。自社の施工内容、技術者、営業所、資金計画を整理し、必要な種類を慎重に選びましょう。

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